東北自動車道を那須インターで下り、県道を那須湯元まで一気に登ります。 湯元までの渋滞がひどいようでしたら、リンドウ湖まで迂回してから池田を通っていく方法と、別荘地内の道路をいく方法があります。
（今回は地図を省略します）

茶臼岳周辺の紅葉はもう盛りを過ぎ、ロープウェイに乗る人影もまばらですが、眼下に広がる那須野の紅葉は今が盛りで、さながら黄金の絨毯を広げたような感じがします。
この日の那須岳は前夜に雪が降り、茶臼岳、三本槍岳とも薄っすらと雪化粧していました。また、那須湯元から上は日中も氷雨が降り、明るい下界の景色とは対照的に寒々とした一日でした。

那須には多くの温泉があり、有料道路沿いの大丸温泉には数軒の日帰り施設もあります。今回は、秘湯の雰囲気を求めて、少しはずれた北温泉にいくことにしました。

北温泉は、大丸温泉から北側におよそ２Ｋｍほど下って、旭温泉、北温泉の案内にしたがって左に１０００ｍほど入ります。温泉前まで車が入りませんので、手前の県営駐車場（無料）から１０分ほど歩きます。ここは本来湯治場なのですが、日帰り利用もできます。

□料金（営業時間：６時〜１７時）

風呂は、手前に大きな露天風呂（プールと呼ばれていますし、実際プールぐらいの大きさがあります）と、内湯、打たせ湯、家族風呂、女性専用浴室があります。つまり、女性専用浴室以外はすべて混浴です。
建物は古く、調度なども古いまま残されています。（もっとも観光客への迎合かもしれませんが）
湯量は豊富で、打たせ湯の裏手の崖から滝となって落ちてきます。

客層は観光客がほとんどで、若い女性もかなりいます。内湯で近くのカップルに話を聞いてみると、旅行雑誌をみてきたそうで、混浴は初めてということでした。露天風呂では水着をきた女性もいますが、内湯と打たせ湯では水着の女性はいません。

露天風呂からの紅葉の眺めは見事で、パステルで描いた上をブラシで刷いたような感じにも似ています。

北温泉はゆっくり休むには少し狭いので、早々に引き上げて那須山麓道路に向かいます。
途中、殺生石を覗いて見ます。ここは草津温泉と同じように硫化水素が吹き出していて、その名の由来となっています。また、恐山にも似て千躰地蔵が枯れすすきの中に並び、「ひとつ積んでは母のため・・・」という文句が思わず脳裏をよぎる寒々とした光景が広がっています。

那須山麓道路周辺の紅葉はちょうど盛りで、洒落た別荘を眺めながら黒尾谷岳の南麓を板室温泉に向かいます。
途中、乙女の滝という景勝地があり、滝そのものはさほどでもないのですが、川沿いの紅葉とのマッチングは絶妙な感覚があります。水底に敷き詰められた落ち葉が、日差しのなかでキラキラきらめき、凛と透き通った水音を耳にするだけでも、都会の生活で忘れかけていた優しさの心を思い出させてくれます。

板室温泉は、那珂川沿いにひらけた温泉地です。黒磯市営の温泉施設「板室健康のゆ　グリーングリーン」は、温泉街下の橋を渡って川沿いに５００ｍほどさかのぼります。現在周辺施設の工事中ですが完成すればレストランを備えた総合健康施設となるそうです。

□料金（営業時間：１０時〜１８時）

ここの露天風呂は少し変わっています。東屋風になった建物の梁から綱が下がっているのです。
聞くところによると、この綱につかまって体を浮かせて入浴するといいということです。ここの露天風呂でも温泉談義が盛んで、湯に浸かったり、岩の上で涼んだりしながら銘々が自分のお気に入りの温泉の話をしています。この光景は内部の浴槽では見られませんから、やはり露天の開放感が作用しているのでしょうか。

ここの施設で評価したいのは、貴重品ロッカーが無料であることです。使いおわると１００円が返ってきます。それから、厨房があるにも関わらず食事の持ち込みは自由であること。ただし、館内での飲酒はお断り、ということで大いに結構なことだと思います。

広間は１００畳あり、広々としています。また、健康器具を集めたトレーニングルームを自由に使用でき、体力測定、血圧測定など健康管理に関することはかなりそろっています。

北温泉「北の湯」

栃木県那須郡那須町湯元１５１

ＴＥＬ　０２８７−７６−２００８

弱塩泉、単純泉

板室温泉「板室健康の　ゆ　グリーングリーン」

栃木県黒磯市百村３０９０−６

ＴＥＬ　０２８７−６９−０２３２

アルカリ性単純泉

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